2023年3月8日水曜日

「公設試験機関」という選択肢はどうですか?

 昨年末に中間発表を終えた大学院生(M1)の就活が真っ只中にあります。例年、研究 or 開発といった技術職志望が多く、多くの院生が首都圏の大企業中心に就活しているようですが、「公設試験機関」という選択肢をほとんどの方が知らないようです。


「公設試験機関(以下、公試と呼びます)」とは、その地域の地場企業さんの新たな製品開発を研究・技術面で支援する都道府県の研究所で、各都道府県に1箇所以上は必ずあります。主には、地域企業さんとの共同研究、技術的な相談に乗る、機器を借りたい企業さんに使い方を教え、一緒に分析等をしてあげる、、、という感じです。大きな都市だと複数あるところも。以下のサイトにその一覧がでています。


https://www.meti.go.jp/kousetsushi/kousetsushiList


都道府県の研究所なので、かつてはその県の公務員試験を受験して合格し、地方公務員として県庁に採用され、人事の運が良ければ公試に配属される(運が悪ければ他の部署に配属)、、というパターンだったと思います。なので、県庁に採用されても実際に公試に配属されるかは賭けの要素もありました。でも、今では多くの研究所が独立行政法人になり、運営資金は県から出ますが、実際に新人を採用するかどうかは、それぞれの公試で独自に行うスタイルが徐々に増えています。もちろん、従来どおり公務員試験で県庁に入ってから運が良ければ配属され、、、というパターンを取るところもまだあるので、詳細は上記URLから各公試のホームページに飛び、採用情報を見てもらいたいのです。それぞれの公試のホームページに「採用情報」といったサイトがあれば、その公試は独自に募集をしているのでしょう。

ここに就職すれば、地域企業の方々と一緒に、公試の様々な機器を使って研究中心の生活を送れるので(もちろん雑用も沢山ありますが)、就職先としては良いのではないかな、なんて私は思っています。


ただし、難点がひとつ。その分野の欠員がでないと募集がかからないのですね。大企業のように毎年数十名、、、というわけに行かない。なので、公試のホームページを見れば、どんな業務をしているのかは容易にわかりますので、あとはそれぞれの公試の採用情報サイトを見て、分野的に応募できそう、、、となれば、積極的に応募したら良いと思うのです。「生物 or 生物工学」「化学」「農学 or 農業」分野は狙えるのではないでしょうか?

欠員が出た時のみの募集なので採用人数は少ないです。でも、その分敬遠する人も多いので、実質的な倍率はそんなに高くない(公試によっては過去の採用データを公開しているところもあります)ので、狙う価値は十分にあるのではないかと。。。

いかがでしょうか?


*追記:2023/3/8 19時時点で調べたところ、県庁等の地方公務員とは別枠で、公試独自で採用活動をしているところは、北海道、東京、神奈川、京都、大阪、山口、長崎でした。これ以外でも、必要な時だけ随時採用情報を載せることもあるので、興味がある人は気付いた時に時々見ると良いでしょう。

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